イオンモールに設置されている急速充電器が大幅値上げ

電気自動車ユーザーにとってイオンの急速充電は破格の価格設定でした。50kWh程度の急速充電ですが、30分で300円。おかわり充電で60分充電しても600円でした。

しかし2026年2月1日にイオンモール倉敷店の充電ステーションに行ったところ1月13日からの値上げの張り紙が掲示されていました。

電子マネーWAON  ご利用料金の見直しについて

イオンモール公式サイト https://www.aeon.jp/sc/kumiyama/info/detail/info_377415.html

WAONでの支払いで急速充電の場合は30分で1,290円 ※3/1までは割引キャンペーンで30分1,020円というものです。普通充電(3kW)に関しても現行のWAON支払では1時間120円ですが198円に値上がりしています。私はZESP3のカードを持っていますが、この為にWAONを定期的にチャージして充電の支払いに使っていました。

よくよく考えると理論上44kWhで30分あれば22kWh充電することが可能です。一般的な家庭用の電気料金1kWh(30円)で考えると22kWh充電するのに660円かかることになります。家庭用と大型ショッピングモールでは単価自体が違うとは思いますが、これだけを考えると今までが破格だったということが分かります。

普通充電に関しても1kWh(30円)×3=90円ということを考えると以前の料金体系ではほとんど利益がないことが分かります。理論上は22kWhであっても実際に初代リーフでは10kWhぐらいしか充電できませんでした。しかし最近の電気自動車はバッテリーの搭載量も大きいので22kWh近くまで充電することが可能です。それを考えるとこの値上げは仕方がないものでむしろ遅すぎたと思うほどです。

しかし今回はイオンの値上げというよりもENEOS Chaegeの料金に準拠したというべきかもしれません。

変わりつつある電気自動車の充電環境について

今までは自宅に充電環境がなくてもイオンの充電器が近くにあれば自宅と同程度の料金で充電することができました。しかし今回の料金体系変更でそれも難しくなりました。

しかしここ数年の電気自動車はバッテリー容量も大きくなり、充電速度も90kw超になりました。町中の急速充電器も50kWhから90kWhを超えているものも増えてきました。そう考えればガソリンスタンドによる感覚で充電することに近づいていますが大きな問題がでてきます。それは充電速度による不公平です。

例えば初代日産リーフの最大充電は44kWhです。それに対してARIAの場合は最大130kWhです。規格の上だけでも約3倍の能力差ですが、実際に充電すると初代日産リーフが44kWhで充電できるのはわずか数分ですぐに電流値が下がり20kWh、16kWhレベルまで落ちでしまいます。それに対してアリアはバッテリー容量が大きいこともあり同じ44kWhで充電したとしても最後まで44kWhで充電可能です。

これは90kWh充電器の場合でもARIAでは最後まで高い電流値で充電することができます。それを考慮すると初代日産リーフとARIAの充電では4倍以上の価格差があることになりますすが、その大きな理由は充電の課金方式が電力量ではなく充電時間によるものだからです。

【過去記事】

急速充電器の課金方法が今後変わる可能性が高い理由。前時代的な課金方法が今も使われている。

2016年ぐらいまでは充電能力にそこまでの差はありませんでしたが、現状そして今後出てくる電気自動車は高い充電能力を備えています。このままいくと最新電気自動車の急速充電で利益がとれない分を旧型の電気自動車から徴収する形になってしまいます。

これが大手であるイオンモールの充電価格改定を機に変わってくるのではないかと個人的には思っています。そうしないと急速充電器の設置者の利益が少なくなりますし、高速な150kWh超の充電器が普及しないからです。充電器の能力が上がり、電気自動車側の給電能力が上がればガソリンの給油時間に近づいていきます。しかし利益が減るからと高速な急速充電器の設置がされなければ本末転倒です。そのことを考えればここ数年で時間単位から従量制への移行が行われると私は考えています。

それがZESP4の登場のタイミングなのか、電気の法律改正のタイミングなのかは分かりませんがそう遠い未来のことではないでしょう。

実際にENEOS Chargeでは普通充電3kWhの場合は3.3円/分ですが6kWhでは6.6円/分になっています。実証実験が行われているENEOS Charge PlusのkWh課金では1kWhあたり99円というオープン記念価格が発表されました。

オープン価格でこの価格は高すぎる気がしますが、初代日産リーフで30分充電して10kWhぐらい、ZESP3のプレミアム100が4400円という計算で行くと4400円÷33.3kWh=132円という単価が出ます。2代目日産リーフの場合だと30分充電して15.7kWhだったので4400÷52.2=84.3円 

※二代目リーフは深夜真冬で-4℃という悪条件です。

これらを総合すると高すぎるというわけではないのかもと考えましたが、ガソリンが140円で15km走ると仮定、真冬の電費6km/kWhとして考えるとガソリン8.75円/kmに対して電気16.5円/kmとなります。春秋として電費8.7km/kWhで考えても11.37円/kmとガソリンよりも高くなってしまいます。キャンペーン価格でこれです。ENEOSはガソリン販売の会社なので電気スタンドを普及させて収益の柱を増やすというよりも、できれば電気自動車の普及を阻止したいという思いがあるのかもしれません。

※ENEOS Charge普通充電の場合66円/kWhでした。春冬であれば7.6円/kmなのでガソリンよりも少しだけ安くなります。冬の場合は11円/kmとやはりガソリンよりも高いです。

自宅充電の場合は1kWhあたり30円と仮定すれば冬場で5円/km、春秋で3.4円となります。これを考えればkWh課金が主流となれば自宅で充電ができないと電気自動車のメリットはないということになってしまいます。

余談ですがイオンモールでZESP3カードを使って普通充電をしようと思いましたがイオンの普通充電器もENEOS Chargeの充電器に変わっていました。そして3kWと6kWを選択する画面で3kWしか選択することができませんでした。ZESP3のカード説明ではプレミアム100は普通充電600分の記載がありますが3kW、6kWには言及されていませんがおそらくはZESP3認証では3kWhしか選択できないようです。

ただどちらにしてもイオンモールでの急速充電をあてにしていたドライバーは今後の充電について考える必要があります。ただイオンモールも普通充電は比較的安価で利用できますし、最近ではDMM EV(6kW)やニトリ(3kW)などもあります。悲観する前に一度自宅周辺の充電設備を調べてみるのも一つの方法だと思います。