電気自動車(EV)への移行により確実になくなる業種「ガソリンスタンド」
最初に
車の普及と共に社会に必要とされた業種「ガソリンスタンド」しかし水素エンジンやハイブリッドではなく急激な電気自動車(EV)への移行により十年後には「ガソリンスタンド」というものはなくなってしまう可能性が大きくなってきました。
実はここ数年EVの普及に関係なくガソリンスタンドは減っていた
ガソリンスタンドがもっとも多かったのは平成6年度末の6万421店、平成28年度末でのガソリンスタンドは3万1467店とほぼ半減し2020年では2万9005件と微減となりました。車の台数が増えているにもかかわらずガソリンスタンドの数が減り続けているのにはEV移行以外の理由があります。それは平成23年に消防法改正がありガソリンスタンドの地下に埋められているタンク(40年を超えたもの)の改修が義務付けられたことが主な原因といわれています。
※ガソリンスタンドの地下タンクです。
昔に比べてハイブリット車以外の車の燃費も大きく向上していてガソリンの消費と売上が落ちてきています。そして売上と利益が落ちている中で地下のタンク改修という大きな費用がかかることになり現状の業績とタンクの使用期間とを秤にかけて閉店するガソリンスタンドが増えてきたことが大きな理由だと思われます。
昔は普通自動車の燃費がリッター10kmだったとして今のハイブリッド車は20kmを超えるようなものもありますし、今の軽自動車もハイブリッドでなくても大きく燃費を伸ばしています。車の台数は2倍になっていないのに車の燃費が向上して半分ぐらいのガソリン消費になっていると思うとイメージはつかめるでしょうか?
社会的に必要なインフラにもかかわらず、「仕入価格の上昇」「地球温暖化対策税導入」で収益が悪化し採算がとれず廃業する例が増えてきていました。セルフのガソリンスタンドが増えてきていたのも人件費の削減の為で、近年作られるガソリンスタンドのほとんどはセルフスタンドとして作られているのがそれを示しています。
未来のガソリンスタンドについて
将来、完全にガソリン車がなくなり電気自動車(EV)だけになった場合、ガソリンスタンドというものはなくなるしかありません。可能性としては充電スタンドになったり水素スタンドに転向するという可能性もありますが、その場合でも問題はいくつかあります。
充電スタンドの場合
現行の急速充電では30分と考えた場合、ガソリン補給に比べて回転率が悪いので収益という面で少し厳しいかもしれません。充電時間中にくつろげる休憩スペースなどを設置することで飲料や食事などで売上を補完はできるかもしれませんが十分だとは思えません。そして自宅充電可能な人が多く、外での充電をほとんどしない人がほとんどなら商売として成り立たない可能性さえあります。
電池交換式の電気自動車(EV)が出てくれば電池の交換場所として今のガソリンスタンドが代替えになるかもしれませんが電池交換式の電気自動車(EV)には多くの課題があり現時点では主流にはならず商売にはならないと思われます。
水素スタンドの場合
現時点では次世代としてFCV(燃料電池自動車)が主流になる可能性は低いと思われます。ただFCV(燃料電池自動車)が主流になった場合は水素の充填スタンドとしてガソリンスタンドがそのまま業種転換できるかもしれません。ただその場合、水素はそのスタンドで作るのか?今のガソリンスタンドのようにタンクに水素を貯めておいて水素スタンドとして機能させるのか?
このあたりは法律もあるのでどの方法がベストなのかは現時点では想像がつきません。
まとめ
ガソリンや水素と違い電気は自宅でも車に補充できるものなので、今までのガソリンスタンドに比べて外で充電する回数は少ないかもしれません。そうなってくるとこれからの充電スタンドは充電の数(口数)が少なくても幅広いエリアへの展開と無人化がカギだと思われます。そうなってくるとガソリンスタンドが何かに変わるよりもガソリンスタンド自体が未来ではなくなり充電スタンドは自動販売機のようにあちこちに無人で設置されることになるはずです。そしてガソリンスタンドの数が減ってくれば今までの電気自動車(EV)と真逆でガソリンスタンドの数が少なくて不安だからガソリン車から電気自動車(EV)に乗り換えるということになるかもしれないと私は思っています。
ここまで色々と書きましたが私の想像では未来ではガソリンスタンドはなくなってしまうという結論になりました。ただ車はガソリンへと切り替わっても車以外にもガソリンを使う乗り物や道具は存在するのでガソリン自体がなくなるという意味ではありません。