時間単位の従量課金からkWh課金への移行。想像以上の価格で電気自動車ユーザーの不満が大爆発する可能性
急速充電料金が大きく変わる可能性
電気自動車ユーザーの間では以前から電気自動車の車種やバッテリー劣化による急速充電料金の格差が問題になっていました。極端な話ですが理論値だけいえば
初代日産リーフ(44kW充電対応) 30分で22kWh
日産アリア(130kW充電対応) 30分で65kWh
の充電が可能です。理論値ですが同じ料金を支払っても3倍程度の価格差が生まれてしまいます。実際には抵抗値が増えたバッテリー(劣化)、外気温、バッテリー温度などに大きく左右されさらに差が広がります。

上記は10セグに劣化した初代日産リーフの冬場の充電結果です。理論上は6.6kWh充電できるはずですが実際は3.1kWhです。しかもバッテリー残量が増えてくるとさらに効率が悪くなる為、この後の10分間で充電できたのは2.1kWhだけでした。
その為、旧型の電気自動車ユーザーの間では充電時間による課金では充電量に比べて大きな価格差が生まれるというのが不満でした。しかし法律改正により充電時間ではなく充電量に応じた課金が可能になりました。その為、時間課金から充電量課金へと大きく変わる可能性が出てきましたのでそのことを記事にしていきます。
kWh課金とは

急速充電器の課金方法が今後変わる可能性が高い理由。前時代的な課金方法が今も使われている。
kWh課金方式とは充電時間ではなく充電量に応じて課金するという方法で電気自動車の性能に関係ない公平な課金方法だと議論されていました。充電スポットの設置業者も同じ価格にもかかわらず短時間で大量の電力を使われてしまうと採算がとれず、低スペックの電気自動車で収益を補っているというのが現状です。しかしkWh課金なら公平ですし、冬場に充電出力が上がらなかったとしても時間ではなく充電量なので十分な電力が充電ができるまで安心して待つことができます。
kWh課金は公平感や低スペック電気自動車にとって不公平感を減らす完璧な課金方法だと思われていましたが大きな問題がありました。
想像以上の価格設定
実証実験の時から少し思っていたのですが、kWh課金の単価が思ったよりも高いことが気になっていました。実証実験だから高めの価格設定がされており、一般的に設置するなら価格はもう少し下がると思っていましたがkWh課金が設置され始めてもほとんど変わらない価格設定で開始されました。
e-Mobility Powerから時間課金移行へのお知らせ
ビジター利用料金における「kWh課金の導入」と「充電器の立地・最大出力に応じた時間課金への移行」のお知らせ e-Mobility Power公式サイト

kWh課金での走行コストの試算
見るべきところはkWh課金のところで高速道なら143円/kWh、一般道で110円/kWhというところです。ZE1(前期型)で条件が悪い時(バッテリー残量が多い、気温が低い、バッテリー温度が高いなど)時に50kWh充電器で20分充電した場合10kWh程度の充電ができました。それぐらいであれば時間課金55円/分と変わらないのですが
※110円/kWh×10kWh=1100円 55円/分×20分=1100円
もっと受入充電能力が高い電気自動車の場合は時間単位の課金に比べて大幅に損をしてしまうことになります。特にZESP3などのカードの場合だと充電器出力に関係なく一律の時間でした。ZESP3のプレミアム100だと55円/分で100kW超の充電器も使うことができました。最大の理論値で考えると1650円で65kWhの充電が可能です。
しかしe-Mobility PowerのkWh課金の場合は高速道路で9295円、一般道でも7150円と従来の価格に比べても比較になりません。これは理論値なので半分で半分程度の効率で試算しても時間課金は3300円です。
kWh課金の場合だと電費8km/kWh、ガソリン換算15km/ℓ、180円/ℓで計算すると1kmあたりの走行費が高速道路で17.9円、ガソリン換算で268円/ℓ、一般道の場合でも1kmあたりの走行費が高速道路で13.8円、ガソリン換算で207円/ℓ

おい!電気自動車の売りである走行コストの安さがなくなってる。むしろガソリンに比べて大幅にあがってるよ!

e-Mobility Powerは電気自動車を潰したいのか?
石油業界の手先なのか?
それを疑ってしまう料金体系です。

補足ですが、自宅充電の場合は1kWhあたり約31円です。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安 その場合は65kWh充電した場合の電気代は2015円での計算となります。上記の条件でも1kmあたりの走行費が3.88円、ガソリン換算で58.2円/ℓ。それを考えると急速充電であってもガソリン換算で120円/ℓに抑えてほしいところです。これでは自宅や職場に充電器がないかぎりメリットが少ないとしか言えません。
現状ではまだ安心できる理由

高額なkWh課金について説明をしましたが、これはZESP3会員などの価格ではなくビジターでの料金となります。現状ではe-Mobility PowerネットワークはZESP3などのカードで使用することができるのでその料金体系に準じることになります。
今後kWh課金が主流になり自動車メーカー発行の充電カードもそれに準じることになるのであればその時こそZESP4の発表の可能性があります。ZESP4の価格には期待したところですが現状で日産の業績を考えるとZESP4の内容に期待するのは厳しいかもしれません。 ZE1(前期型)ほぼ予告なしのNissanConnect終了の件もあり日産へ不信感しかありません。
【過去記事】

【2026年】日産リーフZE1(前期型)のNissanConnect終了|使えなくなる機能と影響

